体幹の神経

胴体や腰部の圧迫による損傷は、主に運動機能の制限というよりは感覚の喪失を引き起こす傾向がありますが、それでもなお、通常の動きや機能に支障をきたす可能性があります。 ここで特に注意すべき主な部位は、肋骨の側面、骨盤の上部、そして脚と太ももの境目にある「パンティライン」に沿った部分です。

長胸神経

  • 特に被害を受けやすい場所: 胸郭の側面に沿っています。この神経は、極端な屈曲(例えば、両腕を頭上に組む場合など)によって特に損傷を受けやすくなります。
  • ロープの設置: 胸郭の側面をきつく締め付けるロープ(チェストハーネスによく見られる)は、特にサスペンション状態で荷重がかかり、上半身が前屈している際に、圧迫の原因となる可能性があります。
  • 圧縮の結果: 肩甲骨の間、肋骨の脇に沿って、さらには胸の下部(乳房の下)にかけて、感覚の低下、しびれ、チクチクする感覚、または灼熱感が生じます。また、胸の締め付け感や呼吸困難を引き起こすこともあります。特に、積み重なる損傷を受けやすい状態です。 時間が経つにつれて、安静時にも肩甲骨が(背中に沿って折りたたまれるのではなく)突き出る「翼状肩甲骨」となる場合があります。これを是正しないと、肩が正しい位置を維持するために余分な負担をかけることになり、ひいては肩の合併症を引き起こす可能性があります。

大腿外側皮神経

  • 特に被害を受けやすい場所: これは、股関節の外側および前面を横切り、脚と股関節の付け根のしわに沿って走っています。(この位置は、腸骨鼠径神経や腸骨下腹神経と類似していることに注意してください。)
  • ロープの設置: 腰の周りにロープを巻きつけ、うつ伏せの状態で吊り下げると、特に圧迫が生じやすくなります。腰の周りにロープを巻くような縛り方によって、最も頻繁に損傷を受けるのがこの神経です。8
  • 圧縮の結果: 感覚の低下、しびれ、チクチクする感覚、または灼熱感が、太ももの付け根または膝、または膝や脚の脱力感 体重がかかる際(特に、階段を降りるような動作や姿勢の場合)、大腿神経の圧迫が疑われる可能性があります。

腸骨鼠径神経および腸骨下腹神経

  • 特に被害を受けやすい場所: これは、腸骨稜(股関節の骨の上部)に沿って、また脚と股関節の付け根の折り目沿いに走っています。(この位置は大腿神経と似ている点に注意してください。)
  • ロープの設置: 逆さ姿勢(胸部が腰より下にある状態、場合によっては完全に逆さまになっている状態)で腰やヒップにロープの負荷がかかると、特に圧迫が生じやすくなります。
  • 圧縮の結果: 鼠径部周辺の感覚低下、しびれ、チクチクする感覚、または灼熱感は、腸骨鼠径神経または腸骨下腹神経の圧迫を示している可能性があります。

閉鎖神経

  • 特に被害を受けやすい場所: 内股の股間部から出ていくところ。
  • ロープの設置: 太ももの上部をきつく縛るロープは、圧迫を引き起こす可能性があります。その部位や痛みの感じ方には、個人差が大きいようです。これは通常、太ももの上部をどこまで(例えば、足を組んだ状態での縛りなど)股間の方へ縛るかについて、人それぞれに特定の好みを持たせる原因となる神経によるものです。
  • 圧縮の結果: ロープに負荷がかかると、締め付け感や灼熱感が生じることがあり、太ももの内側の鼠径部付近で感覚の喪失やチクチクした感覚を引き起こす可能性があります。